慢性肝炎とは
肝臓の炎症が最低6か月以上続いている状態で、B型肝炎やC型肝炎によるものが最も多く、次いでアルコール性肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)によるものも多くなっています。胆管や肝臓の炎症性疾患、消化器以外の代謝系疾患、薬剤、日本住血吸虫症などの感染によって起こっているケースも存在します。
自覚症状に乏しいことで長期間に渡って炎症が続き、肝硬変や肝臓がんなどになってはじめて気付くこともありますので、健康診断で肝機能の異常を指摘されたら早めに受診して適切な治療を受けることが重要です。
診断
慢性肝炎の発症原因として上位を占めているB型肝炎やC型肝炎は、健康増進法に基づく健康増進事業などによって保健所や各自治体が委託する医療機関での無料検査が行われています。詳細についてはお住まいの地域の保健所へお問い合わせください。なお、下記の厚生労働省肝炎ウイルス検査ページでは、肝炎検査を受けられる医療機関の検索が可能です。
また、倦怠感、黄疸、腹部膨満、浮腫、皮膚所見といった慢性肝炎や肝硬変の症状がある場合は、保険適用による検査も可能です。健康診断などで肝機能の異常を指摘された場合にも早めに受診して検査を受けてください。
厚生労働省 肝炎総合対策の推進 肝炎ウイルス検査ページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/hepatitis_kensa.html
治療
原因に合わせた治療が必要です。また糖尿病・脂質異常症・高血圧などの合併症がある場合は、その治療も併せて行います。
B型慢性肝炎・肝硬変に対しては、核酸アナログ(ベムリディ・バラクルード)という内服薬を用いた継続的な治療を行います。C型慢性肝炎・肝硬変に対しては、DAA(マヴィレット・ハーボニー)という抗ウイルス薬を2~3か月内服することで、ほとんどの患者さんがウイルスを排除できるようになりました。いずれの治療も当院の専門医のもとで行うことが可能です。アルコール性肝炎では禁酒が必須であり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)ではカロリー制限などの食事療法や運動療法が有効です。
当院では、原因や症状、状態、ライフスタイルなどに合わせたきめ細かい慢性肝炎の治療を行っています。生活習慣改善に関しても具体的なアドバイスを行うことで、できるだけ無理なく続けていただけるようしっかりサポートしています。