食欲不振とは
さまざまな消化器疾患で起こる症状です。特に理由なく食欲がわかない、食べようという気持ちにならない、空腹を感じないなどがある場合、疾患が隠れている可能性があります。特に、少ししか食べていないのにすぐ満腹になってしまう早期膨満感がある場合は、消化器疾患が疑われますので、早めにご相談ください。
食欲不振の原因
生活習慣などによる生理的なもの、食事が関与しているもの、病気によって生じているものに大きく分けられます。 生理的なものは、生活習慣の乱れ、ストレス、前日の食事や飲酒、妊娠など幅広い原因によって起こります。ほとんどの場合、食事や睡眠、運動などに気を付けることで解消できます。 食事が関与している場合には、脂肪や香辛料を控え、できるだけ薄味を心がけてください。食事の際にしっかり噛むことも重要です。
病気によって生じている食欲不振
食欲不振の多くは消化管の疾患によって起こっていますが、全身のさまざまな疾患によって生じていることも珍しくありません。服用している薬剤の影響で起こることもあります。深刻な疾患の症状として現れることもありますので、注意が必要です。当院では消化器内科の専門的な診療を行っていますが、幅広い内科疾患も考慮しながら診察します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍など、消化管が傷付くと不快感から食欲が低下します。食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆のうがんなど消化器のかんは食物の通過を妨げるため、食欲不振の症状を起こすことがあります。
また、心臓や肺、肝臓などの疾患によって胃や腸にうっ血が起こると、機能が低下するため食欲不振を起こします。さらに、便秘、機能性ディスペプシアは消化器の働きを低下させて食欲不振につながることがあります。
検査・診断
問診で症状の内容や、はじまった時期、症状の変化、病歴や服用している薬、食事などについてくわしくうかがいます。血液検査、胃カメラ検査、腹部超音波検査、大腸カメラ検査から必要と思われる検査を行って原因となる疾患の有無を確かめます。
治療
疾患が発見された場合はその治療を行います。服用している薬剤の影響によって生じている場合は、処方の変更を検討します。そして、生活習慣の関与が疑われる場合には、ライフスタイルなどをうかがいながらできるだけ無理なく続けられる方法を提案しています。